病院長(日本内科学会総合内科専門医) 小畠 廉平
当院は福山市北部の地域医療を支える病院として50年以上活動しており、内科、泌尿器科、眼科医師が毎日診療に従事しておりますが、今回は内科についてお話ししたいと思います。
一言に内科、といっても診療範囲は非常に広範で、内科の中でも脳神経内科、循環器科、消化器内科、といった専門分野に分かれております。各専門医はそれぞれが学会認定の専門医資格を有しております。文字通り各分野の「スペシャリスト」なのですが、それは各臓器(内臓)別の話であり、全ての患者さんが「心筋梗塞になりました」とか「癌になりました」といって受診されるわけではありません(他医療機関からのご紹介は除く)。「最近なんかだるい」「食事がとれない」「しんどい」といった、どこの内臓が関係しているかわからないような症状で当院を受診されることもよくあります。内科では医師がそういった患者さんから細かく話を伺って(問診)、診察をし、必要に応じて検査を行って診断を下していき、治療に結びつけています。この問診、診察から診断、さらに専門治療(外科手術、カテーテル治療といった専門医や他の科でないとできない治療)を除く一部の治療までのプロセスを行うのが「総合内科」です。そうすることによって、大病院でありがちな他の診療科を受診する手間や時間を省くことができます。総合内科では幅広い病気や症状に対応できるため、一つの診療科で包括的なケアを受けることができます。
また総合内科は一般的な健康相談にも対応しております。他職種とも連携して生活習慣の改善や予防医療のアドバイスを行うことで、患者さんの健康管理をサポートします。
当院では月曜日から土曜まで常勤4名、非常勤7名の内科医が外来を担当しており、そのうち4名が日本内科学会の総合内科専門医の資格を持っております。内科診察ブースのドア横に担当医と保有専門医資格が掲示されておりますので、参考に見て頂ければ幸いです。
今後日本は高齢社会になり、これまで以上に複数の病気を持つ方がふえてくると思われます。もちろんそれぞれの専門分野のスペシャリストもさらに必要になるでしょう、しかし今後地域の「かかりつけ医」として、まずは最初の医療の窓口として、総合内科の必要性はそれ以上に必要になってくると考えております。