小畠病院(福山市駅家町)

花粉症の対策と治療について

眼科 瀧川 泰医師

花粉症だけで重篤な合併症をおこすことはまれですが、角膜(黒目)に傷がついたり、慢性化すると難治性になることがあります。

アレルギー体質の人や毎年花粉症になる人は、早期に適切な治療を受けるように心がけましょう。

花粉症とは

花粉症とはその名の通り、花粉が飛ぶ時期にその花粉が目に入って、アレルギー反応をおこして主に結膜炎をおこす病気です。但し、アレルギー反応をおこすのは花粉だけではなく、ハウスダストや動物の毛などによっておこすこともあります。

花粉症は近年その頻度を増しつつあり、厚生省の調査によるとアレルギーによると思われる「目のかゆみ」を訴える人が人口の15~20%あり、毎年2000万人くらいの人がかかっていると思われます。

原因となる花粉が飛ぶ種類や時期はその地方によって異なりますが、主に2月~5月がスギ科、5月~7月がカモガヤ科、7月~9月がブタクサ科、10月~12月がヒノキ科の花粉が多いようです。詳しいデータはありませんが、当病院眼科でも毎年3月と5~6月にピークがあり、3月がスギ花粉、5~6月がブタクサ花粉によるものと思われます。

花粉症の主な症状は以下の3つです。

  1. 結膜(いわゆる白目)の充血
  2. 目のかゆみ
  3. 涙 

他の症状として、眼脂(目ヤニ)も出ますが、あまり多くはありません。細菌やウイルスによる結膜炎でも結膜の充血、眼脂など症状は似ていますが、目のかゆみはあまりなく、眼脂が多いのが特徴です。その他に角膜(いわゆる黒目)に傷がつくこともあり、これがおこりますと目の痛みや異物感、目がかすんで見えるなどの症状もおこることがあります。

では、こういった症状がでたときにはどうすればよいのでしょうか?次は花粉症の対策、治療についてお話ししたいと思います。

花粉症の対策と治療について

1)花粉症の予防対策
予防法としては以下のようなことがあげられます。

  1. 花粉が多く飛んでいる時期、あるいは多く飛んでいると思われる晴れた日は外出をなるべく避ける
  2. 外出時にはマスクをする
  3. 規則正しい生活をする  

しかし、これでも完全に花粉症になるのを防止することはできません。そこで、もし目がかゆいなど花粉症のような症状が出た場合は、すぐ眼科を受診して診てもらいましょう。

2)花粉症の治療
治療法は主として点眼薬になります。症状が軽い場合は抗アレルギー剤の点眼で治りますが、症状が重い場合はステロイドホルモン剤という薬を使います。

ステロイドホルモン剤はアレルギーに対して非常によく効きますが、次のような副作用がおこることがありますので、必ず眼科医の指導のもとに使うようにしましょう。

  1. 細菌感染を起こしやすくなる
  2. 白内障を引き起こすことがある

花粉症だけで重篤な合併症をおこすことはまれですが、先程も述べましたように角膜(黒目)に傷がついたり、慢性化すると難治性になることがありますので、アレルギー体質の人や毎年花粉症になる人は早期に適切な治療を受けるように心がけましょう。

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