小畠病院(福山市駅家町)

泌尿器科

小畠病院の泌尿器科では排尿障害、血尿、尿路結石や尿路感染症の治療や尿路性器の腫瘍の治療を行っています。
泌尿器科の領域における最新医療技術を積極的に取り入れるとともに、患者さんに負担の軽い検査(軟性膀胱鏡など)やレーザー手術(尿路結石、前立腺肥大症など)を心がけています。
また、福山市北部では唯一、日本泌尿器学会より専門医基幹教育施設として認定されている病院で、泌尿器科部長は専門医を養成する指導医の資格を持つ医師です。

小畠病院泌尿器科_診察室

次のような症状はありませんか?

尿に血が混じる。血尿を指摘された

 健診や病院での尿検査で、「おしっこに血が混じってます」とか「尿潜血陽性です」と言われることがあります。尿に血が混じる、いわゆる血尿は、尿を作る腎臓や尿の通り道に何らかの問題があることがあります。おしっこが赤いなど、尿に血が混じることを目でみて判断できる肉眼的血尿はさらに重要な病気のサインです。たとえば膀胱癌の多くは肉眼的血尿を契機として発見さます。また腎癌でも、最近は検診や人間ドックなどで偶然に発見される症例が増えてきたものの、血尿を契機に見つかることも少なくはありません。いっぽう、目でみて尿の色の変化はわからないものの、尿検査にて血が混じっている状態を顕微鏡的血尿といいます。顕微鏡的血尿でも、がんなどの重要な病気の危険信号の場合がありますので注意が必要です。
 健診やかかりつけの病院で血尿を指摘されたり、おしっこをしていて、「あれ!」と思ったら泌尿器科を受診してください。

尿が近い、尿の回数が多い ~頻尿~

 「尿が近い、尿の回数が多い」という症状を頻尿といいます。一般的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合を頻尿といいます。しかし、1日の排尿回数は人によって様々ですので、一概に1日に何回以上の排尿回数が異常とはいえず、8回以下の排尿回数でも自分自身で排尿回数が多いと感じる場合には頻尿といえます。
 頻尿の原因は様々ですが、過活動膀胱、残尿(排尿後にも膀胱の中に尿が残ること)、多尿(尿量が多いこと)、尿路感染・炎症、腫瘍、心因性に分けることができます。
 尿のトラブルでお困りの場合は我慢せず、泌尿器科を受診してください。

夜間、何度も排尿で起きる

 夜間、排尿のために1回以上起きなければならない症状を夜間頻尿といいます。加齢とともに頻度が高くなります。夜間頻尿は、日常⽣活において支障度の高い(困る)症状です。
 夜間頻尿の原因は、大きく分けて1)多尿・夜間多尿、2)膀胱容量の減少、3)睡眠障害に分けられます。これらの3つの原因によって治療法が異なるので夜間頻尿の原因をまずはっきりさせることがとても重要です。
 夜間頻尿でお困りの方は泌尿器科を受診してください。

尿が漏れる・尿失禁がある

 尿失禁とは自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことと定義づけられています。40歳以上の女性の4割以上が経験しており、実際に悩んでおられる方は実は大変に多いのですが、恥ずかしいので我慢している方がほとんどです。尿失禁の状態や原因に応じてきちんとした治療法がありますので、我慢せずに泌尿器科を受診してください。

尿が出にくい・尿の勢いが弱い・尿をするのに時間がかかる

 排尿に関わる症状は、排尿症状、蓄尿(ちくにょう)症状、排尿後症状に分けられます。排尿症状は、尿を出すことに問題がある症状で、「尿が出にくい」、「尿の勢いが弱い」、「尿をするのにお腹に力をいれる」などです。蓄尿症状は、尿を溜めることに問題がある症状で、「尿が近い」、「夜間排尿のために起きる」、「尿がもれる」などです。また、排尿後症状とは、排尿した後の症状で、「残尿感:排尿後にまだ膀胱に尿が残った感じ」、「排尿後尿滴下:排尿後下着をつけてから、尿が少しもれてくる」といったものです。多くの方が、様々な排尿の問題を抱えていますが、通常はこれらの症状が複合してみられます。
 排尿に関わる症状がある場合は泌尿器科を受診してください。

尿がまったく出ない

 腎臓で造られた尿は腎盂(じんう)、尿管を通り膀胱に達し、その量が一定以上になるとおしっこがしたい感じがして、尿を出す(排尿)ということになります。
 尿がまったく出ないという原因の一つは、腎臓で正常に造られた尿が膀胱まで運ばれ貯まってはいるが、排尿しようと思っても出てこない、という状態で「尿閉(にょうへい)」とも呼ばれ、通常、「尿がまったく出ない」というとこの状態を指します。排尿の時には、膀胱が収縮し膀胱の出口が開くことが必要です。しかし、何らの原因で膀胱の出口が十分に開かなければ、膀胱は収縮しているにもかかわらず尿が出ないという状態になります。また、膀胱の働きをコントロールしている神経に障害がある場合には、その障害の場所と程度によっては、膀胱の収縮が不十分になり尿が出ないということが時に起こります。このような病気を神経因性膀胱といいます。
 いずれの場合にも、まったく尿が出なければ尿閉ということになります。膀胱の出口より外側の前立腺、尿道に尿の流れをさまたげる状況があれば尿閉の原因となりますが、ほとんどの場合の原因は前立腺肥大症です。したがって、尿閉が出現するのは原則として男性に多いということになります。肥大した前立腺が膀胱の出口をふさいでしまうことが原因の大部分です。前立腺が大きい人の方が尿閉になりやすい傾向があります。長時間の座位、飲酒、時には咳止め薬、感冒薬、精神安定剤、不整脈のくすりなどが誘因になることがあります。
 膀胱内に尿が多量にたまっているに尿がまったく出ない(尿閉)ときには、緊急処置として尿道からカテーテルを挿入して、膀胱にたまっている尿を排出させる必要があります。尿を完全に排出させたら、すぐにカテーテルを抜いてしまう方法(導尿といいます)と、しばらく尿道にカテーテルを挿入したままにする方法(尿道カテーテル留置といいます)があります。いずれにしても、泌尿器科専門医の診察を受け原因検索をすることが推奨されます。

尿が残っている感じがある ~残尿感~

 残尿感とは、おしっこをした(排尿)後も、「尿が出きっていない感じ」、「尿が残っている感じ」があるという症状です。実際に尿が残っていることもありますし、尿が残っていないのに残尿感を感じることもあります。
 排尿後に残尿がある場合には、男性における前立腺肥大症のように、膀胱から尿道出口までの通過障害が考えられます。また、排尿時に膀胱がうまく収縮できない(膀胱収縮障害)場合にも、完全に膀胱の尿を排出できず、排尿後に残尿が発生します。
 残尿がないのに残尿感を感じる場合は、膀胱や尿道の知覚異常が原因となります。知覚異常による残尿感は炎症にともなって出てくる場合と、炎症がはっきりしないのに出てくる場合とがあります。前者の典型例は女性の膀胱炎です。この場合には排尿時の痛み、尿が近い、などの症状とともに残尿感が出てくることがありますが、適切な抗菌薬による治療で数日以内に症状がなくなります。男性では慢性前立腺炎でよくみられる症状ですが、以下で述べるように炎症が明らかでなくとも出てくる症状です。
 炎症が明らかではないにもかかわらず、残尿感が症状として出てくる代表的な病気には男性では慢性前立腺炎があります。慢性前立腺炎の残尿感は、前述のようにはっきりとした炎症があって出てくることもありますが、むしろ炎症がはっきりしないにもかかわらず症状として出てくることに特徴があります。多くの場合には、尿が近い(頻尿)、下腹部あるいは会陰部の不快感をともなっています。慢性前立腺炎は30-50歳代の人に見られる病気です。
 一方、女性でははっきりとした炎症がないもかかわらず、残尿感が症状としてでてくることは珍しくありません。しかし、原因となっている病気を見つけ出すことが非常に困難なことが多いのも事実です。更年期の症状の一つとして出てくることもあります。症状が続くようであれば泌尿器科を受診してください。

排尿痛がある、排尿時に痛い

 排尿時に痛みを起こす最も一般的な病気は急性膀胱炎です。急性膀胱炎は、女性に多く、頻尿(おしっこが近い)、血尿(おしっこに血が混じる)、排尿時の痛みが特徴的な症状です。多くは排尿の終わりごろに尿道に不快な痛みを感じます(排尿終末時痛)。特に問題となる基礎疾患がなくても、尿道から細菌が膀胱へ侵入することによって起こり、尿検査により炎症細胞(白血球)や細菌が認められますが、抗生剤治療で数日以内に完治することがほとんどです。高熱や倦怠感などの全身症状、背部痛などを伴う場合には腎盂腎炎を併発している可能性もあり、重症化するリスクもありますので、すみやかに医療機関を受診することが必要です。
 男性で排尿時の痛みを起こす病気には、前立腺炎や尿道炎があります。前立腺炎は尿道から侵入した細菌によって起こる細菌性前立腺炎と非細菌性前立腺炎があり、いずれも排尿時の痛み以外に、頻尿、会陰部(陰嚢と肛門の間の部位)や下腹部の不快感や痛みなど多彩な症状があります。細菌性前立腺炎は、当初は急性の経過をとり、発熱や倦怠感などの全身症状を伴うこともあり、適切に治療を行わないと慢性前立腺炎に移行することがあります。
 尿道炎では、排尿時痛は細菌感染や尿道の粘膜に傷がついたことが原因で起こります。尿の出始めに痛む場合は、クラミジア性尿道炎、淋菌性尿道炎などの性感染症が原因であることが多いので注意が必要です。いずれも排尿時に焼けつくような痛みやかゆみ、不快感、尿道から黄色や白色の膿が出て尿が濁る、尿の出口が赤く腫れる、頻尿などの症状が現れることが多いですが、中には自覚症状のない場合もあります。気づかないうちに感染が広がるケースも少なくありません。尿道炎は放置すると尿道狭窄となることが多く、排尿に支障をきたすようになるため、早めに泌尿器科専門医を受診して下さい。
 その他に、尿道結石、間質性膀胱炎、膀胱や尿道の悪性腫瘍などの疾患が排尿時痛に関与することもありますので、長期間症状の改善がみられない場合には泌尿器科を受診してください。

PSAが高いと言われた

 PSAは「前立腺特異抗原、prostate-specific antigen」の略語で、前立腺の上皮細胞から分泌されるタンパクです。多くは精液中に分泌されますが、ごく微量が血液中に取り込まれます。検診などの血液検査で、しばしば今回のように「PSAが高い」と指摘されることがあります。近年、健康診断、人間ドック、かかりつけの先生のところでの検査など、PSAをチェックする機会が増えています。一般的には基準値を超える場合、すなわち4ng/mL以上になった場合に「PSAが高い」と言われます。また、若い方の場合には、基準値を3ng/mL以下などのように低く設定する場合もあります。
 PSAが高い場合に考えられる疾患は①前立腺癌、②前立腺肥大症、③前立腺炎、などがあります。また、射精や長時間の車の運転のような前立腺への機械的な刺激でも軽度上昇する場合があります。この中で、もっとも重要な疾患が前立腺癌です。PSAの値が高くなるに従って、前立腺の組織を針で採取して病理所見を確認する前立腺生検によって発見される確率が高くなります。つまり重要なことは、PSAは高いほど前立腺癌の可能性は高くなりますが、前立腺癌だけで高くなるのではないということです。前立腺肥大症や炎症で上昇している場合もありますので、専門家の判断が必要となりますので泌尿器科を受診してください。
 さて、「PSAが高いと言われた」場合にはどのようにしたらよいでしょう。前述したように、PSAが高くなる疾患には前立腺肥大症や炎症など、前立腺癌以外の可能性もあります。
 4ng/mLをはるかに超えていても癌ではないこともある反面、4ng/mL以下でも癌のこともあります。まず泌尿器科を受診していただき、精密検査がさらに必要がどうか相談することが大切です。超音波検査や直腸診で前立腺が腫大しているかどうか(前立腺肥大症があるかどうか)や、癌を疑わせる異常所見の有無を調べます。さらに、症状や検尿などで前立腺に炎症があるかどうかなどを判断します。こうしたことを総合的に考慮して、癌が疑われるようであれば精密検査(前立腺生検)が勧められます。もちろん前立腺肥大症や炎症が考えられる場合にはそれに適した治療がなされます。「PSAが高いと言われた」らけっして放置せず、一度泌尿器科を受診してください。

排尿症状を伴う発熱がある

 排尿症状(頻尿、排尿痛、残尿感など)を伴う発熱をきたしたときには、腎臓や前立腺または精巣上体などに細菌感染をきたしている可能性があります。特に糖尿病、尿路結石、前立腺肥大症など、尿路感染を起こしやすい疾患がもともとある場合には重症化しやすく、ときには命に関わる場合もあります。排尿症状を伴う発熱を認めた場合には、できるだけ早く泌尿器科を受診してください。

代表的な病気や治療

尿路結石の診断・治療

 尿路結石の主な症状は、疼痛と血尿です。「疝痛発作」と呼ばれる激痛が特徴的で、冷汗、吐き気を伴うこともあり、胃腸の病気と勘違いすることもあります。あるいは、まったく自覚症状がない場合や、鈍い痛みだけのこともあります。
 尿路結石を放置し、水腎症が続く場合には、腎臓が機能しなくなるなどの合併症を引き起こすことがあります。また、感染結石により、尿の通過障害があると、腎盂腎炎から「敗血症」という怖い病気を誘発します。速やかに専門医(泌尿器科医)を受診してください。
 詳しくは、病気のコラム「尿管結石の診断と治療」をご一読ください。

 当病院では衝撃波のエネルギーを集中させることにより、痛みを感じることなく結石だけを砕く体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)、および、内視鏡下レーザー結石破砕装置を設置し、あらゆる尿路結石の治療に対処しています。
 詳しくは、病気のコラム「体外衝撃波結石破砕術について」をご一読ください。

 経尿道的結石砕石術(f-TUL)は尿道から挿入した極細内視鏡(細径軟性尿路管鏡)で結石を捕捉。そこにホルミウムレーザーを照射し、結石をより確実に破砕・回収する治療法です。

前立腺癌の診断・治療

 PSAと呼ばれる前立腺癌の腫瘍マーカー検査によるスクリーニングを行います。
 私たちは直腸指診、あるいはPSAで前立腺癌が疑われる方には、できるだけ早期に前立腺生検を行うことを薦めています。
 前立腺癌が心配な方、あるいは健康診断などでPSAが少し高いといわれて、どうしたらよいか困っている方がいらっしゃいましたら小畠病院泌尿器科外来を受診してみてください。担当医が適切なアドバイスをいたします。

前立腺肥大症の診断・治療

 前立腺肥大症とは、男性の尿道をとりまく前立腺が肥大して尿道を圧迫して、排尿障害や頻尿症状を起こす病気です。
 おしっこに勢いがなく、排尿に時間がかかる、おしっこに行く回数が増えている、最近夜中に頻繁にトイレに行くようになったなどの症状がある方は、前立腺肥大症かもしれません。症状がある方は一度、泌尿器科を受診してください。

 前立腺肥大症の治療には、薬による保存的治療と手術による外科的治療があります。当院での手術として、前立腺切除術(TUR-P)に加え、より低侵襲な治療として、県東部ではじめてレーザー蒸散術(CVP)を導入しました。レーザーを用いて前立腺を蒸散させていく手術方法で、出血がほとんどなく、身体への負担が少ないのが特徴の手術法です。出血が少ないので血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)を休薬する必要がなく、手術後の尿失禁リスクを低減できるなどのメリットがあります。
 投薬治療がなくなるので、通院が不要になるなど患者さんのQOL(生活の質)向上にもつながります。

「接触式レーザー前立腺蒸散術ぜんりつせんじょうさんじゅつ」の詳しい説明はこちら
※株式会社インテグラル社 医師の患者説明補助資料リーフレットより引用
PDFはこちらから

 

過活動膀胱(頻尿・尿失禁)の診断と治療

 オシッコが我慢できない、もらしてしまう。それらは歳や体質のせいだと思っていませんか?もしかしたら、「過活動膀胱」という病気の症状かもしれません。同じ症状がでる他の病気の可能性もありますので、泌尿器科で診察を受けたうえで、適切な治療を受けられることをお勧めします。
詳しくは、病気のコラム「過活動膀胱(頻尿・尿失禁)の診断と治療」をご一読ください。

尿路感染症

 膀胱には元来、自浄作用があり、細菌の増殖を抑える働きがあるのですが、尿の量が少なかったり、排尿を我慢すると菌が付着しやすく、炎症を引き起こします。尿路感染症を防ぐには、適度な水分摂取と尿意を感じたら我慢せずに排尿することと、清潔を保つことが大事です。

 

診療受付のご案内

1階正面玄関横の総合受付窓口で診察の受付を済ませて、2階待合室でお待ちください。

診療日:月曜日~土曜日
休診日:火曜日午後・土曜日午後・日曜日・祝日・年末年始
受付時間:午前 8:15~11:30 午後 16:30~17:30
 午前 初診・再診 11:30まで
 午後 初診・再診 17:30まで
※予約および急患の方はこの限りではありません。
診療時間:午前9:00~12:00、午後4:30~6:00

小畠病院_泌尿器科

診療担当表

 
1診 午前 大口 大口 大口 大口 山中 大口
午後 大口 山中
2診 午前 宮本 宮本 宮本 後藤 宮本 宮本
午後 宮本 後藤

※泌尿器科は手術の都合で午後の外来診療が変更になることがありますのでご了承くださ い

泌尿器科常勤医師

氏名 専門 資格
副院長・泌尿器科部長
大口 泰助
泌尿器科 日本泌尿器科学会泌尿器科専門医・指導医
泌尿器科副部長
宮本 克利
泌尿器科 日本泌尿器科学会泌尿器科専門医・指導医

泌尿器科非常勤医師

氏名 専門 資格
後藤 景介 泌尿器科 日本泌尿器科学会泌尿器科専門医・指導医
山中 亮憲 泌尿器科 日本泌尿器科学会泌尿器科専門医

 

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