小畠病院(福山市駅家町)

循環器内科

小畠病院の循環器内科は、狭心症、心筋梗塞、不整脈などの心臓血管系の疾患を診断し、治療する科です。

頑固な高血圧、動悸、息切れなど、次に説明するような症状がある場合はご相談ください。

心臓の役割

心臓は全身に血液を送り出すのに重要かつ、人体の中で脳と同様必要不可欠な臓器でもあります。心臓の中には4つの部屋と4つの弁があり、さらに心臓に必要な酸素と栄養分を供給する血管(冠動脈)があります。 その原因や血管などに異常が生じることによって様々な症状が生じます。

次のような症状はありませんか?

胸、背中が痛い

 有名な病気だと狭心症、心筋梗塞ですが、これらの病気だとそれ以外にも冷や汗や肩や歯まで広がる痛みが伴うことが多いです。中には胃が痛い(みぞおちのあたりが痛い)例もあります。
 また胸部大動脈瘤(胸部大動脈に瘤ができて、それが破裂する)、胸部大動脈解離(胸部大動脈の壁が裂ける)、肺動脈塞栓(肺動脈(心臓から肺につながる血管)に血栓ができて詰まってしまう病気)でも起きますが、心臓以外の臓器(肺、食道、皮膚など)でも同様の症状が起きますのでまずはお話しを伺って診察させて頂いた上で、胸部レントゲン、心電図、心臓超音波(エコー)、CT検査などをさせていただいております。

息切れがする、呼吸困難になる

 心不全でよく起こる症状で、足や顔のむくみ、横になれないと言った症状も出ることがあります。また心臓の病気以外にも肺や内分泌疾患(ホルモンの異常)などが原因となることもあります。

足がはれる、顔のむくみがある

 上記でもお話ししたように心不全でよく起こる症状と言われております。それ以外にも下肢静脈血栓症(足の静脈に血栓(血の塊)ができて血管が詰まってしまう病気)、食事がとれずに栄養状態が悪化した方、甲状腺機能低下症、おなかの中に何かできものがある、などでもむくみがでることがあり、血液検査、CT検査などをさせていただいております。

動悸がする(脈が飛ぶ、ドキドキする、など)

 動悸がするとのことで不整脈を気にされて来院される患者さんも多くいらっしゃいます。多くの場合不整脈ですが、不整脈の中にもいろんな種類のものがあります。不整脈の種類がどんなものなのかを見るために心電図やホルター心電図(24時間心電図)の検査を行います。またイベント心電計(動悸が出たときに自分で心電図がとれる機械)の貸し出しも行っております。また不整脈の原因となるようなものもないか(甲状腺の病気、貧血、電解質異常、その他心臓そのものの異常)がないか血液検査や心臓超音波(心エコー)などで検査する必要があります。

失神発作(気を失って倒れる、目の前が真っ暗になる、など)、ふらつく

 気を失うから頭の病気でもあるのではないだろうか?と心配される方が多くいらっしゃいますが、実は心臓からの病気が一番多いと言われております。心臓の弁膜症や不整脈で起きることがあり心電図、心臓超音波(心エコー)などで検査する必要があります。それ以外にも起立性低血圧(立ちくらみ)や上部消化管出血(胃潰瘍や十二指腸潰瘍から出血することによって急速に貧血が進む)などによって引き起こされることがあります。その場合は寝ているときと座っているときか立ち上がってしばらくしてから血圧を測り、差がないかどうかチェックしたり、血液検査で貧血がないか調べることがあります。

歩くと足がだるくなる、ふらつく

 歩いて足がだるくなる、ふらつくといったことの原因の一つに末梢動脈疾患(PAD)があり、足背の動脈の触れが悪くなることが特徴です。その場合ABIや下肢の造影CT(造影剤(血管や内臓をはっきり映し出す薬剤)を注射してCTを撮影します)を行います。それ以外にも腰椎の異常(椎間板ヘルニア、圧迫骨折など)が原因となることもあります。
 ふらつきについては末梢動脈疾患以外だと起立性低血圧(立ちくらみ)や上部消化管出血(胃潰瘍や十二指腸潰瘍から出血することによって急速に貧血が進む)などによって引き起こされることがあります。

だるい、疲れやすい

 上記の「息切れがする、呼吸困難になる」や「足が腫れる、顔のむくみがある」の項目でもお話ししたように心不全で起こる症状の一つです。胸部レントゲンや心電図、血液検査、心臓超音波(心エコー)で心臓の機能に異常がないかチェックをします。それ以外にも甲状腺機能の異常や貧血なども原因となることがあり、やはり血液検査でチェックする必要があります。

チアノーゼ(口唇・爪が紫色になる)

 チアノーゼとは血液に酸素が十分に取り込まれなくなり起きる症状の一つで、上記の「息切れがする、呼吸困難になる」や「足が腫れる、顔のむくみがある」、「だるい、疲れやすい」の項目でもお話ししたように心不全で起こる症状の一つです。それ以外にも血液に酸素を取り込むのに必要不可欠な臓器でもある肺の異常でも起きますので、胸部レントゲン検査が必要となってきます。

健康診断で異常を指摘された

・血圧が高い・血液中に脂肪や尿酸が高い
・心電図に異常がある・心臓に雑音がある

 上記のいずれも自覚症状がないことが多いのですが、そのまま放置しておくと心臓の病気を引き起こす元となることがあります。お気軽にご相談ください。

循環器内科で診る代表的な病気

高血圧

 日本人のうち約4300万人程度が持っていると言われている疾患で、高血圧自体は症状として表れることは少ないのですが、それがこの病気の恐ろしいところです。高血圧があると、狭心症、心筋梗塞や心不全はもちろん、脳卒中や動脈瘤、慢性腎臓病など多彩な合併症を引き起こすことがあります。原因は多くは生活習慣の乱れ(過食(食べ過ぎ)、塩分の取り過ぎ、運動不足)や遺伝、動脈硬化などがほとんどですが、中には病気で高血圧が引き起こされることがあるため、血液検査、レントゲン、心電図などをチェックします。高血圧に対してはまず生活習慣の是正(食べ過ぎや塩分摂取量を減らす、運動をする)がまず前提となりますが、それでも下がらないようなら内服治療が必要となります。

不整脈

 普通の脈は刺激伝導系という心臓を動かすのに必要な電気信号を作る電気回路が存在しますが、そこから出るものとは違う異常な電気信号が出現することによって脈が飛んだり、刺激伝導系の異常で電気信号が止まったりすることによって動悸(胸がドキドキする、脈が飛ぶ)などの症状が出ます。不整脈の数が少なく日常生活に支障を来たさない程度でしたら治療は必要ないことが多いのですが、動悸がひどくて日常生活ができない場合や、失神したり、血縁の方(ご両親、ご兄弟など)で突然死をされた方がいらっしゃる場合は内服治療や、さらにはカテーテル治療、ペースメーカー治療などが必要となることがあります。
 ある不整脈には心臓の中に血栓(血の塊)ができやすく、それによって脳梗塞(頭の血管が詰まって手足が動かない、感覚がなくなったりおかしくなったりする病気)を起こされる方がいらっしゃいますので、それをできにくくするお薬を服用していただくこともあります。
 当院では心電図やホルター心電図(24時間心電計)、イベント心電計(動悸が起きたときにご自身で心電図がとれる機器)で不整脈の有無や不整脈の種類をチェックしており、さらに血液検査や心臓超音波(心エコー)などで原因となるような異常がないかを精査しております。カテーテル治療やペースメーカー治療が必要な場合は専門病院にご紹介させていただいております。

心不全

 心不全とは心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。
 現在心不全の患者さんは増えてきていると言われており、高血圧や糖尿病といったいわゆる生活習慣病が下地になって狭心症や弁膜症、心筋(心臓の筋肉)がダメージを受けることにより発症します。心不全になると階段や坂道の上り下りなど体に負担がかかると息切れがしたり、顔や足のむくみなどが出ることがあります。また症状も徐々に出ることもあれば数時間の経過で出現することもあります。

虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)

 狭心症とは冠動脈の動脈硬化が進行することによって、血管の中の流れが悪くなり心臓への酸素、栄養分の供給が低下することによって起こる病気です。特に心臓が活発に動く時、すなわち体をよく動かした時 (歩く、階段の上り下り、重いものを運ぶなど)に顕著に現れます。この時共通(締め付けられるような痛み)、冷や汗、 肩へ広がる痛み、動悸といった症状として現れます。
 心筋梗塞とは冠動脈が突然詰まることによって酸素、栄養分の供給が止まってしまうことによって起こる病気です。突然上記の症状が出現して収まらないのが特徴で、この状態は心筋(心臓の筋肉)が死んでしまい、 最悪命にも関わるためすぐに治療が必要となります。

心臓弁膜症

 検診で心雑音を指摘され受診される方も多いのですが、息切れや気を失うといった症状で初めて発見される例もあります。心臓の中には4つの弁がありますが、その弁が硬くなって開きが悪くなったり、完全に閉じきらなくなり血液がそこから逆流することによって起こります。重症の場合は手術も必要となりますので、その際は専門病院にご紹介させていただいております。

心筋症

 心臓の筋肉が分厚くなったり、逆に薄くなったりして心臓の機能が低下する病気があります。高血圧を長年お持ちの方や息切れがあるという方で心臓超音波(心エコー)をして発見されることがあります。

大動脈瘤

 大動脈という動脈(全身に血液を送る血管)の中でも一番根幹となる血管に瘤ができたり、血管の壁が避ける病気です。高血圧や糖尿病といった生活習慣病から動脈硬化が進んだ結果や感染、遺伝病などから起きる病気で、放置すると血管が破裂して大出血を起こし命に関わることがあるため、ある程度の大きさ以上になれば手術が必要になることがあります。胸部レントゲン写真、CT検査で検査をし、精密検査や手術が必要と判断した場合は専門病院に紹介させていただいております。

末梢閉塞性動脈疾患(PAD)

 以前は閉塞性動脈硬化症(ASO)と呼ばれていた疾患です。大動脈瘤同様、高血圧や糖尿病といった生活習慣病から動脈硬化が引き起こされ、そこから発展する疾患です。歩くと足が痛くなってきて、休むと痛みが取れる、足先の色が紫色になったりするのが特徴で、放置すると足が壊死して切断しないといけなくなることがあります。ABIやCT検査で血管が狭窄あるいは詰まっていないかチェックし、内服薬や手術(バイパス手術やカテーテル治療)が必要となることがあり、手術が必要な場合は専門病院に紹介させていただいております。

循環器内科での主な検査

聴診器

 高額な検査でなくともいろいろな情報が得られます。昔からベテランの先生はこの単純な道具を使い、職人技で心疾患を見つけ出してきました。超高額な精密機器を使わなくとも得られる貴重な情報は今も昔もプライスレスです。

心電図

 心臓の中で発生する電気信号を記録することによって不整脈をはじめ心臓の状態を把握することができます。歴史は古く100年以上も医療の現場で使われておりますが、今でも我々に心臓に関する重要な情報を伝えてくれます。

ホルター心電図

 24時間連続して心電図がとれる機械を装着して入浴以外の通常の生活をしていただき、その間に不整脈の数や種類を見ていきます。ただし装着している間不整脈が出ない場合もあるため、その場合はイベント心電計で不整脈がないかチェックをすることがあります。

イベント心電計

 数日から数週間に数度しか不整脈が出ない場合、上述のホルター心電図で不整脈が捉えられないことがあるため、その時にはイベント心電計を数日から数週間の間貸し出しをさせていただいております。これは動悸を自覚したときに胸などに機械を当てて心電図をとることによって不整脈の有無を見ることができる機械です。実際動悸をお持ちの方でホルター心電図でも見つからなかった不整脈がイベント心電計を数週間貸し出した結果発見され、治療に結びついたこともあります。

心臓超音波(心エコー)

 超音波を利用することにより心臓の動きや心臓の弁の動き、心臓内の血流の状態などを確認するのに使われます。

頸動脈エコー

 超音波を利用することにより頸動脈の動脈硬化や狭窄、閉塞がないかを見ます。高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病をお持ちの方は動脈硬化が進行しやすいと言われておりますので時々検査をおすすめしております。

足関節上腕血圧比(ABI)

 両手足の血管に血圧計を巻いて、同時に特殊な音波を当てることによって、動脈硬化の程度や下肢動脈に狭窄や閉塞がないかを調べることができます。高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病をお持ちの方は動脈硬化が進行しやすいと言われておりますので時々検査をおすすめしております。

他の医療機関との連携

当院で診察の結果、他の医療機関で手術や検査などを受けていただいたほうがよい場合は、患者さんのご希望を聞いたうえで適切な医療機関へ紹介させていただいています。

 

診療担当表

 
午前 院長
循環器内科
 -  院長
循環器内科
 -  院長
循環器内科

院長/吉田
循環器内科
※2

西原
循環器内科
午後 院長
循環器内科
院長
循環器内科
西原※1
循環器内科

※1 9:00~15:00までの診療となります。
※2 第1・3土曜日は、吉田医師
     第2・5土曜日は、院長
【受付時間】
 午前 初診・再診 11:30まで
 午後 初診・再診 17:30まで
※予約および急患の方はこの限りではありません。

担当ドクター

氏名 専門 資格
院長
小畠 廉平
循環器内科 日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本プライマリ・ケア連合学会プライマリ・ケア認定医
吉田 賢司 循環器内科 日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会認定循環器専門医
西原 大裕 循環器内科 日本内科学会認定医
日本循環器学会循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
日本内科学会総合内科専門医

 

担当医あいさつ

外来で高血圧、高脂血症等をはじめ心不全、労作性狭心症の方が通院され、薬物療法などでフォローしていますが、緊急な治療を必要とする方を外来診療の中で、早期にピックアップしなくてはなりません。当院でも必要に応じて入院治療を行っております。急性冠症候群や大動脈破裂といった緊急での治療が必要な疾患につきましては他の専門的な医療機関へ紹介させていただきます。

一般内科におきましても、今までの経験を活かし、近隣の患者さんにとって真っ先に相談できる「かかりつけ医」としての機能も果たしていきたいと思います。

病院長 循環器内科・一般内科 小畠 廉平医師

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