小畠病院(福山市駅家町)

コンタクトレンズの装用について

眼科 瀧川 泰医師

コンタクトレンズはメガネと違って目の上(角膜)に載せるわけですから、そのための合併症がおこることがあり、最悪、失明することもあります。装用するうえでは注意する必要があります。

眼科医の診察なしにメガネ屋やインターネットでコンタクトレンズを買う人もいるようですが、これは危険極まりないことです。

コンタクトレンズを装用する場合は必ず眼科で診察、定期検査を受けてからするようにして、コンタクトレンズによるトラブルがおきないようにしましょう。ご不明なことは遠慮なく、小畠病院眼科にご相談ください。

コンタクトレンズのタイプ

コンタクトレンズについてお話いたします。現在、日本全国でコンタクトレンズを装用している人は約1500万人いると言われています。特に10代後半から40才くらいまでの人に多いようですが、最近は40代、50代の人で装用されている人もいます。コンタクトレンズには大きく分類してハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズがあります。

ハードコンタクトレンズの長所は

  1. 近視、乱視の強い人はSCLに比べて視力が出やすい
  2. 酸素透過性が高い
  3. 丈夫で長持ちする

ハードコンタクトレンズの短所は

  1. レンズが硬いため装用感が悪い(痛い)
  2. SCLに比べて目から落ちやすい
  3. 外傷を受けた時、レンズが割れると目に刺さることがあり重傷になりやすい

ソフトコンタクトレンズの長所は

  1. 装用感が良く痛みがほとんどない
  2. 落ちにくいためスポーツをする人に適している
  3. 外傷を受けても重傷になりにくい

ソフトコンタクトレンズの短所は

  1. 強い近視、乱視では視力が出にくい
  2. 汚れたり、欠けたりしやすい
  3. SCLによるアレルギーを起こすことがある

最近ではソフトコンタクトレンズは使い捨て(1日タイプ、1週間タイプ、2週間タイプ、1ヶ月タイプがあります)のレンズが主流となっており、汚れたり、欠けたりすることも少なく、乱視付きのレンズも出ており、現在のコンタクトレンズの装用者数はソフトコンタクトレンズが圧倒的に多いようです。

当院では、コンタクトレンズの装用を決めるときは上で述べたようなことを患者さんに説明して、患者さんの年齢、職業、目の状態などを総合的に判断し、患者さんの希望も含めてどのタイプのレンズにするかを決めています。

コンタクトレンズによる合併症について

コンタクトレンズはメガネと違って目の上(角膜)に載せるわけですから、そのための合併症がおこることがあります。主な合併症にはつぎのようなものがあります。

  1. 角膜びらん…角膜(いわゆる黒目)の上皮がはがれた状態で強い異物感、痛み、充血、まぶしさなどを伴う。
  2. 角膜潰瘍…①の角膜びらんがさらに進行して傷が深くなった状態で、強い痛みとともに視力が低下する。(角膜びらんよりさらに重篤)
  3. アレルギー性結膜炎…コンタクトレンズ(主にソフトタイプ)についた汚れやタンパクが原因でアレルギーをおこすと言われており異物感、目やに、かゆみ、充血やレンズがずれるなどの症状をおこす。

①、②の角膜びらんや角膜潰瘍はコンタクトレンズそのものによっておこる場合もありますし、レンズが汚れていたりして、そこから細菌やウイルスによる感染をおこしてなる場合もあります。いずれの場合もコンタクトレンズ装用を中止して抗生物質や角膜の傷を早く治す薬で治療します。

角膜びらんの場合はほとんどの場合短期間で完治しますが、角膜潰瘍になると治療に時間がかかり、治ったとしても角膜に白いにごり(いわゆる傷跡)が残り、視力が低下するという後遺症が残ることもあります。また最悪の場合、目の中に細菌が入ると眼内炎といって目の中全体に炎症が及び失明することもあります。

③のアレルギー性結膜炎に対してはステロイドホルモン剤の点眼薬で治療しますが、繰り返すようならコンタクトレンズを中止あるいは種類を変更(ソフトタイプからハードタイプへ)します。

いずれにしましても何か合併症がおこった場合は、まずコンタクトレンズの装用を中止して、適切な治療をして完全に治ってからコンタクトレンズ装用を再開するということが原則です。

コンタクトレンズ装用上の注意点

上で述べましたようにコンタクトレンズによる合併症はいろいろあり、失明することもありますから、
高度医療機器に指定されています。装用するうえで特に注意する点をあげておきます。

  1. 洗浄しなければならないコンタクトレンズ(1日使い捨て以外はすべて)は必ず毎日洗浄すること
  2. コンタクトレンズを装用したまま寝ないこと
  3. 使い捨てレンズは指定された期間以上使用しないこと
  4. 目が赤くなったり痛くなった場合はすぐ装用を中止して眼科を受診すること
  5. 必ず定期的に検査を受けること(3~4ヶ月に一度)

定期検査では以下のことを調べます。

  1. 今のCLで視力が合っているか
  2. CLに傷や汚れがないか
  3. 目に傷や炎症がないか

たとえ自覚的に症状がなくても目に傷や炎症がおこっていたり、肉眼ではレンズがきれいに見えても拡大してみると傷や汚れがあることもよくあります。そういった意味でも定期検査は必ず必要です。

眼科医の診察なしにメガネ屋やインターネットでコンタクトレンズを買う人もいるようですが、これは危険極まりないことです。コンタクトレンズを装用する場合は必ず眼科で診察、定期検査を受けてからするようにして、コンタクトレンズによるトラブルがおきないようにしましょう。

尚、当院ではコンタクトレンズの処方は原則的には高校生になってからということにしております。(特別な理由がある場合は中学生でも処方することはあります)

小畠病院 眼科の診療・外来案内はこちら

電話をする
ページトップへ