小畠病院(福山市駅家町)

日常生活でできる「片頭痛」の予防

脳神経内科 小畠 敬太郎医師

日常生活でできる片頭痛の予防 その①

 日常生活への支障が大きい慢性頭痛の多くが「片頭痛」です。日本人の約8%の方が悩まされています。片頭痛とつきあい、克服していくために、普段からできることはあるのでしょうか?本コラムでは日常生活における片頭痛の予防について考えます。

片頭痛のトリガー(引き金)を知ろう
 まず、どのような状況で片頭痛がおこりやすいのかを理解しましょう。代表的なトリガーには、以下のようなものがあります。

 食生活 アルコール(ビールや赤ワイン)
     熟成チーズ
     多量のカフェイン
     チョコレート
     空腹
     マグネシウムの不足
 精神的なストレス 職場だけでなく、家庭でのストレスも
 目、耳、鼻からの刺激 強い光
            大きな音
            匂い(香水、シンナー、けむりなど)
 睡眠リズム 寝不足も、寝すぎもだめ
 身体的な疲労 過度の運動は禁物
 環境の変化 気温、天候や気圧の変化
 女性ホルモンの変化 ピル、月経の前や月経中 

 あてはまる項目はありましたか?これは多数の片頭痛患者さんのデータを元にまとめたものです。必ずしも、全ての方に当てはまるとは限りませんし、その人特有のトリガーがほかにあるかもしれません。

日常生活でできる片頭痛の予防 その②

上の表にあげた片頭痛のトリガーは、生活習慣の改善で予防・対策できるものが少なくありません。おすすめのセルフケアをお示しします。

■セルフケア(自己管理)を行ってみよう
★3食きちんと摂りましょう
空腹は片頭痛を誘発します。マグネシウムやビタミンB2は片頭痛の予防に有効です。ひじき、大豆、ほうれん草、ブロッコリー、うなぎ、豚肉などを食生活に積極的に取り入れてみましょう。

★出かけるときにも一工夫
外気温の変化に対応できる、調節しやすい服装がよいでしょう。夏場の強い日差し、反射光にはサングラスなども有効です。

★適度な運動,1日30分はリラックスタイムを
音楽、読書、入浴など心身ともにリラックスする時間を作ってみましょう。

★十分な睡眠を。でも寝過ぎは禁物!
規則正しい時間に寝て、6時間は睡眠を取りましょう。休み前に夜更かしや、逆に朝寝坊をし過ぎると、せっかくの休日が頭痛でつぶれるかもしれません。

★頭痛ダイアリー(日記)をつけましょう
頭痛外来では、頭痛がきた曜日・時間・強さを記録する用紙をお渡しします。同時に内服したお薬の効き目、吐き気や前兆のありなし、月経との関連や思い当たるトリガーも書き込んでいきましょう。
よりよい治療だけでなく、患者さん自身が自分の頭痛の特徴を理解していく事にもつながります。

■もしも片頭痛がおこったら
暗くした静かな部屋で休みましょう。ハンカチをまいた氷枕を首筋にあてたり、頭皮のズキズキ脈打つところを指でやさしく押さえてみてもよいでしょう。鎮痛剤やトリプタン製剤を処方されている場合には、決められたタイミングで内服しましょう。

おわりに

 現代人のライフスタイルは、片頭痛を起こしやすい状況に置かれているといえます。本コラムが頭痛になやむ患者さんの頭痛克服へのひとつのきっかけになれば幸いです。

小畠病院 脳神経内科の診療・外来案内はこちら

採用情報
電話をする
ページトップへ