小畠病院(福山市駅家町)

高齢者救急について ~当院が果たす役割~

病院長 小畠 廉平

 

 今年2025年は団塊の世代(1947年~1949年生まれの第1次ベビーブーム)の方々が全員、後期高齢者となります。超高齢社会においては、医療と介護の需要が必然的に高まっております。これを見据え、当院では2016年より福山市二次救急輪番制度に参加しており、以降地域における高齢者救急搬送の受け入れ強化を図ってまいりました。 また2023年からは消防との連携を強化すべく、連携会議を開催しています。
 救急搬送の受け入れ件数は10年前には105件でしたが、2023年度には379件、さらに昨年度(2024年度)には受け入れ体制を強化し、過去最多の408件となりました。
 例えば、高齢者の独居の方が夏の日に暑さから脱水となって動けなくなり、ご家族に発見されて当院に救急搬送されたケースや、当院に糖尿病や高血圧などで通院中の患者さんで、突然の胸苦しさを訴えられて救急搬送され、検査の結果急性心筋梗塞であることが判明し、治療のできる他施設へ転送となったケースもあります。
 ところで、国は5年おきに、国の医療のあるべき姿を提示する目的で地域医療構想というものを作成しておりますが、今年度発表される見込みの新たな地域医療構想の中で、2020年と比較して2040年には85歳以上の高齢者の救急搬送や在宅医療の需要が増加すると見込まれることが言及されています(※参照)。また、「治す医療」を担う病院と「治し支える医療」を担う病院を明確に区別することにも言及しています。
 当院の立ち位置としては、新たな地域医療構想における医療機関機能では「高齢者救急・地域急性期機能」と考えております。このイメージは、高齢者をはじめとした救急搬送を受け入れるとともに、必要に応じて専門病院や施設等と協力・連携しながら、入院早期からのリハビリテーション・退院調整等を行い、早期の退院につなげ、退院後のリハビリテーション等の提供を確保することです。まさに今の当院が行っていることそのものなのです。当院としましても、今後も今以上に在宅復帰支援に力を入れ、リハビリテーションや社会復帰支援を積極的に行うことによって、地域における「高齢者の救急搬送」を積極的に受け入れるとともに、「治し支える医療」を実践して参ります。

※https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001360724.pdf

 

小畠病院 内科の診療・外来案内はこちら

*広報誌「葦」197号の記事(病気のコラム)より(pdfデータで読みたい場合はクリック)

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