呼吸リハビリテーションとは?

訪問看護ステーション 理学療法士 早川 尚宏

 呼吸リハビリテーション(以下、呼吸リハ)はあまりなじみのない分野かもしれません。今回は呼吸リハについて簡単に説明させていただきたいと思います。
 気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺がん、呼吸器感染症は、呼吸器の4大疾患です。タバコの煙を初めとする有害物質の長期吸入や免疫異常により呼吸器疾患になりやすいです。

 

呼吸器疾患では呼吸がしにくくなったり、呼吸機能が低下したりします。そのために『 安静→全身の筋力低下→動くと息切れ→安静→…』と悪循環を繰り返すことが多いです。呼吸リハとはそういった患者さんに対して、可能な限り機能を回復、維持することによって、症状を改善し、患者さん自身が自立した日常や社会生活を送れるように継続的に支援する医療です。
チーム医療により呼吸器の障害で悩まれている患者さんのADL(日常生活活動)やQOL(生活の質)の維持・向上を目指しています。ご自身が無理なく動ける範囲で身体を動かし、良い循環に変えていくことが大切です。そのために今後のやりたいことや生活背景を伺う中でご一緒に目標を設定し、適切な運動プログラムを立て正しい生活管理が行えるお手伝いをさせて頂きます。
 次号では神経難病の方への呼吸リハについて掲載させていただきます。