2023/05/10

年齢と共に進行する前立腺肥大症 前立腺を「切る」から「蒸散して消滅させる」時代へ

前立腺肥大症とは?

男性の尿道をとりまく前立腺が肥大して尿道を圧迫し、排尿障害や頻尿症状を起こす病気です。

尿道が広く、スムーズな排尿が可能

肥大した前立腺による圧迫で尿道が狭くなり、尿が出にくくなる

次の症状がある人はまず相談を!

  • おしっこに勢いがなく、排尿に時間がかかる
  • おしっこに行く回数が増えている
  • 最近、夜中に頻繁にトイレに行くようになった

前立腺肥大症の治療方法は?

薬による保存的治療

前立腺の尿道圧迫を軽減する薬や、頻尿を抑える薬など、医師の診断により処方されます。

 

手術による外科的治療

投薬治療で効果の現れない重度の排尿障害がある場合や、薬を飲みたくない場合には、外科的治療があります。

前立腺切除術(TUR-P)
電気メスを用いて少しずつ前立腺を削り取る手術方法。約50年以上の歴史のある標準的な手術法です。

出血量 多い(輸血が必要な場合がある)
手術時間 2時間
前立腺重量  50g前後まで
合併症 尿道狭窄症など
入院時間 約2週間
抗血栓薬 休薬が必要

レーザー核手術(HoLEP)
レーザーを用いて前立腺を内側からくり抜く手術方法。くり抜いた前立腺組織は、最後に抽出します。

出血量 少ない
手術時間 2~3時間ほど
前立腺重量  100gを超えるものも可
合併症 尿失禁など
入院時間 約1週間
抗血栓薬 休薬が必要

レーザー蒸散術(CVP)
レーザーを用いて前立腺を蒸散させていく手術方法。組織を蒸散して消滅させるため、最後に抽出する必要はありません。※蒸散術の中にも接触/非接触の術式があります。

出血量 ほとんどなし
手術時間 30分~1時間
前立腺重量  100gを超えるものも可
合併症 ほとんどなし
入院時間 約4~5日間
抗血栓薬 休薬が不要

 

最適な前立腺肥大症低侵襲治療
接触式レーザー前立腺蒸散術(CVP)
Contact laser Vaporization of the Prostate

接触式レーザー前立腺蒸散術と(CVP)とは?

接触式レーザー前立腺蒸散術は、CVPという術式名称で呼ばれています。前立腺組織に光ファイバーを直接接触させて、レーザーを照射することで、組織を気化・蒸散し、肥大した前立腺組織を急速に消滅させる手術方法です。

接触式レーザー前立腺蒸散術のメリットは?

メリット1

出血がほとんどなく、身体への負担が少ない
細い膀胱内視鏡かつ小さいアクションで手術が可能。
出血が少ない手術のため、手術時間、入院期間が短く、早期社会復帰が可能。

メリット2

サラサラ薬(抗血栓薬)を休薬する必要がない
出血が少なく、サラサラ薬(抗血栓薬)を飲んでいても、内服を中止することなく手術が可能なため、手術前後の血栓症リスクを低減できる。

メリット3

手術後の尿失禁リスクを低減できる
尿もれを抑制するた機能を持つ括約筋への負担を軽減できる手術のため、尿失禁リスクへの心配が少ない。

※術後、一時的に痛み、尿閉の症状が出ることがあります。

CVP手術に関するQ&A

Q 手術時間、入院期間はどれくらいかかりますか?
A 手術時間は、約1時間です。入院期間は、約1週間です。

Q 手術後の痛みはありますか?
A これまでの前立腺肥大症手術で使っていたものよりも、より細かい内視鏡を使い、尿道カテーテルも短期間で抜去できるので、他の手術よりも術後の痛みは少ないと報告されています。

Q 男性機能に影響はありますか?
A 性機能への影響は少ないと報告されており、実際に50代の患者様の中には、手術後に自然妊娠に至った方もいらっしゃいます。

Q 排尿症状はどのくらいで改善されますか?
A 術後3ヶ月~6ヶ月で尿の勢いや頻尿などの症状が改善されると報告されています。