医療法人社団玄同会 小畠病院

甲状腺・副甲状腺について

甲状腺・副甲状腺の位置について

甲状腺の働きについて

甲状腺の病気について

副甲状腺の働きについて

副甲状腺の病気について

和久医師による内分泌関連論文

 

外科

和久 利彦 医師

第2外科部長

学歴
 1992年岡山大学医学部卒業 

担当診療科目
 一般外科 、甲状腺・内分泌外科及び総合診療科

資格等
 日本外科学会 指導医・専門医
 日本内分泌 ・甲状腺外科学会 内分泌外科専門医
 

甲状腺・副甲状腺の位置について

 甲状腺は首の前方、のど仏の下にあり、蝶々が羽を広げたような形をしており、気管を前方から側方へかけて取り囲むように張り付いています。重さは15~20gの小さな臓器です。正常な甲状腺では、平たくやわらかいため皮膚の外から触ってもわかりませんが、異常があればしこりやはれとして触れるようになります。
甲状腺の背側には米粒大の副甲状腺が上下左右に1個ずつ、計4個あります。

甲状腺の働きについて

 甲状腺は卵巣、精巣などと同じく情報伝達物質であるホルモンを作って分泌している内分泌臓器の1つです。甲状腺ホルモンの主な働きとしては、新陳代謝の維持・調節を行って生命維持に必要なエネルギーをつくり、あらゆる臓器が正しく機能するように働きかけます。ホルモンバランスが崩れたときその影響は体の様々な臓器に及ぼすこととなります。

甲状腺の病気について

 甲状腺の内科的な病気であれば甲状腺ホルモンが過剰か不足かといった機能的な異常が問題となりますし、外科的な病気であれば切除が必要か否かの問題となります。

甲状腺ホルモン過剰

 バセドウ病:甲状腺ホルモンの過剰分泌により、動悸、頻脈、体重減少、多汗、手指の震え、甲状腺の腫れ、イライラ、下痢、倦怠感などの全身状態のほか、眼球突出・複視などの症状が出現する自己免疫性甲状腺疾患です。時に甲状腺クリーゼという生命の危険を伴う場合があり注意を要します。治療には、抗甲状腺薬による内科的治療、放射線治療、甲状腺を切除する外科療法があります。

 無痛性甲状腺炎:慢性甲状腺炎(橋本病)を基礎として慢性甲状腺炎の成因機序が増悪するかまたは新たな機序が加わるために生じますが、いずれも自己免疫性機序の関与が大いにあります。症状はバセドウ病と同様ですが、治療は特に必要ありません。

 亜急性甲状腺炎:頸部の痛みや発熱が、甲状腺ホルモン過剰による症状以上に全面に強く出ることが特徴です。治療は症状に応じて副腎皮質ホルモンや非ステロイド性抗炎症薬を使用します。

 

甲状腺ホルモン不足

 慢性甲状腺炎(橋本病):代表的な自己免疫性甲状腺疾患であり原発性甲状腺機能低下症の主因でもあります。症状としては、徐脈、体重増加、発汗減少、脱毛、息切れ、寒がり、甲状腺の腫れ、倦怠感、便秘、動作緩慢、易疲労性などが出現します。治療は甲状腺ホルモン剤の補充療法を行います。

 

外科的な病気

 外科的な病気としてはがんである場合が大半を占め、乳頭がん、濾胞がん、低分化がん、髄様がん、未分化がんがあります。乳頭がんは甲状腺がんの中で最も多く、90%を占めています。乳頭がん、濾胞がん、低分化がんに対する治療としては、外科的切除を行い、遠隔転移や根治切除不能局所再発巣に対しては放射性ヨウ素内用療法、さらに放射性ヨード内用療法抵抗性を示す場合は分子標的薬が使用されます。髄様がん・未分化がんに対しては、外科的切除に加え、外科的根治切除不能で進行性であれば分子標的薬が使用されます。

副甲状腺の働きについて

 副甲状腺では、血中のカルシウム濃度を一定の範囲内に調節する副甲状腺ホルモンを合成・分泌しています。

副甲状腺の病気について

 原発性副甲状腺機能亢進症:血中のカルシウムが正常またはそれ以上あるのに副甲状腺腺腫、過形成、あるいは副甲状腺がんにより副甲状腺ホルモン分泌過剰が惹起される病気です。症状としては、腎・尿管結石、骨粗鬆症、消化性潰瘍、膵炎、高血圧、筋力低下、感覚障害、うつ状態、不眠、集中力低下、記憶障害などが出現します。検査の結果、高カルシウム血症、副甲状腺ホルモン高値、腫れている副甲状腺の位置が明らかであれば治療の対象となります。根本的な治療は、手術による病的副甲状腺の摘出です。

 続発性副甲状腺機能亢進症:続発性の代表的な慢性腎臓病や、ビタミンD欠乏などの副甲状腺以外の原因で副甲状腺ホルモンが過剰分泌されます。慢性腎臓病に伴う場合の症状としては、骨・関節痛、骨塩量の減少や骨格の変形、血管・心臓・副甲状腺・肺・消化管などの石灰化、筋力低下、うつ状態、不眠、集中力低下が特徴的です。治療として副甲状腺ホルモンの分泌を抑制するシナカルセトの投与が行われています。

和久医師による内分泌関連論文

1. 甲状腺癌手術症例の臨床病理学的検討
 広島医学 50(8):749~751、1997
2.  Hodgkin リンパ腫様の組織像を呈した甲状腺diffuse large B cell lymphomaの1例
 内分泌外科26(4):259~263、2009
3. 著明な形質細胞分化のため形質細胞腫との鑑別を要した甲状腺MALTリンパ腫の1例 
 内分泌外科27(2):110~115、2010
4. von Willebrand病を伴った甲状腺癌の1手術例
 日本臨床外科学会雑誌 72(1):6~9、2011
5. 乳頭癌・好酸性細胞型濾胞癌・低分化癌が併存した甲状腺多発癌の1例
 臨床外科67 (10):1333〜1337、2012
6. 甲状腺全摘術後にSjÖgren症候群が改善した慢性甲状腺炎併存甲状腺癌の1例
 日本臨床外科学会雑誌73 (9):2176~2180、2012
7.  多発骨転移を契機に発見された甲状腺微小濾胞型乳頭癌の1例
 日本臨床外科学会雑誌74(8):2072~2076、2013
8. 両側性副腎原発悪性リンパ腫の1例.
 日本臨床外科学会雑誌74(9):2604~2609、2013
9. 甲状腺内副甲状腺腺腫の1例.
 日本臨床外科学会雑誌75(8):2114~2119、2014
10. 術前管理に苦慮した肺結核併存原発性アルドステロン症の1例.
 日本臨床外科学会雑誌75 (12) : 3348~3353、2014
11. 甲状腺内副甲状腺腺腫術中操作に起因した甲状腺内再発の1例.
 臨床外科70(5):633~638,2015
12. 甲状腺MALTリンパ腫放射線療法後に治療関連急性前骨髄球性白血病を発症した1例.
 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌32(2):136~140,2015
13. 筋膜炎様の間質を伴う甲状腺乳頭癌の1例.
 日本臨床外科学会雑誌77(12):2892~2897,2016
14. 腹部大動脈周囲リンパ節腫大を伴った副腎原発巨大ganglioneuromaの1例.
 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌34(1): 61~64,2017
15. 限局期甲状腺原発濾胞性リンパ腫の1例.
 日本臨床外科学会雑誌78(3):452~457,2017
16. 好酸球増多を伴った甲状腺未分化癌の1例
 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌34(3): 204~208,2017
17. プロテインS欠損症を伴った甲状腺乳頭癌の1手術例
 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌35(1): 57~60,2018
18. 甲状腺濾胞癌の術後多臓器転移に対してソラフェニブ、レンバチニブ順次投与を行った1例
 広島医学71(7): 536~542,2018

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