尿路結石(特に尿管結石)について

副院長 泌尿器科部長 泌尿器科 大口 泰助 医師

尿路結石とは

 尿路結石とは、腎臓から尿道に至る尿路に結石が生じる疾患です。その部位により腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石に分類され症状も異なります(図1)。上部尿路(腎結石、尿管結石)が95%を占めます。尿路結石症は文明病のひとつといわれ、国民の食生活がよくなるにつれて増加し、戦後急増し、2007年では男性の7人に1人が、女性の15人に1人が一生のうち一度は尿路結石にかかるといわれています。男性は30-50歳代の働き盛りの世代、女性は閉経後の50-70歳代に高頻度にみられます。

症状

 尿管結石では疝痛発作(突然に生じる激しい痛み)、血尿が典型的な症状です。腎結石は無症状のうちに経過することが多いのですが、尿流に沿って尿管に落下し、結石による尿流閉塞(結石により尿路が塞がる)、腎盂(腎臓と尿管の接合部分)内圧の上昇によって、腰背部から側腹部にかける激痛や下腹部への放散痛(原因部位とは離れた場所の痛み)が生じます。これに尿路感染を合併すると高熱を伴い結石性腎盂腎炎という命に関わる病態になり、早急な治療が必要なります。

治療

 尿路結石の中でも尿管に結石がある場合は、6mm以下であれば30日以内の自然排石が75%以上期待できます。しかし、6~10mmであれば65%以下まで下がってしまいます。結石の最大径が10mmを超える場合や、10mm以下でも他の医学的理由、あるいは患者さんの希望で早期治療が妥当と考えられる場合は外科治療の適応となります。

 外科治療としては主に体の外から衝撃波を照射する体外衝撃波結石破砕術(ESWL)と尿道から内視鏡を入れて結石を摘出する経尿道的結石破砕術(TUL)があります。ESWLは入院の必要がない場合が多く簡便に行えますが、TULに比べ破砕効果が若干劣ります。逆にTULは硬くて大きな結石に対しても破砕効果は高いのですが麻酔、入院も必要になります。

尿路結石の予防方法

 大事なことは、水分を多めに(2リットルを目途に)摂取することです。ただし、心不全で水分制限の必要な方は注意してください。水分摂取する場合、糖質を含む清涼飲料水、甘味飲料水、コーヒー、紅茶、緑茶、アルコールの過剰摂取は避け、水道水、麦茶、ほうじ茶などが好ましいです。

 また、結石の80%はシュウ酸カルシウムが成分となっています。シュウ酸はほうれん草や大根、たけのこ、コーヒー、紅茶、緑茶、チョコレートなどに多く含まれます。ただ、こうした食物にはほかの栄養素も多く含まれており、全部避けるのは現実的ではありません。シュウ酸はカルシウムと一緒に摂ると、尿ではなく便に排泄されるため、シュウ酸を多く含むものを摂取する場合はカルシウムを一緒に摂取することが勧められます。例えば、ほうれん草・たけのこにはかつお節をかける、コーヒー・紅茶にはミルクを入れるなどです。また、肉類などの動物性タンパク質の量を控え、野菜類を多く摂取することも勧められています。カルシウムは必要量の摂取を勧めますがサプリメントなどによるとりすぎには注意して下さい。

 最後に、食べてすぐ寝ないことも大切です。結石は夜できるといわれています。夕食がすんで3‐4時間は寝ないようにしましょう。その間しっかり水分を摂取して尿を薄めて寝ましょう。

 

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*広報誌「葦」181号の記事(病気のコラム)より(pdfデータで読みたい場合はクリック)